6月の声を聞くと、私は毎年恒例のように芦安村役場に電話して、南アルプスス-パ-林道のバス運行日を調べる。2001年は6月15日から。今回電話をしたのは、いささか目的が違っていた。バスに乗るために問い合わせたのでは無く、バスが運行される前日に野呂川出合(北沢との出合)までの6キロを歩いて入渓しようとたくらんだのである。この計画を聞いた徳1号はニヤリと笑いながら、「いいですね~」と即答した。もっと凄いのは美永と多摩の釣り人さん。二人ともバスがまだ運行されてないとは知らず、現地の広河原で歩き始める直前に聞いたのに「ふ-ん」と涼しげだ。「この時期よほど物好きで無い限り、あそこまで歩く奴はいない。だから、うぶな大イワナがパッコンパッコン入れ食いだ~」 いつもなら「縁起でもない!つきが落ちるよ」とすかさず釣る前の禁句と怒られるが、あまりの説得力にみんなニヤニヤと鼻の下をのばしてる。そして疲れを知らない子供のように歩き始め、気が付いたら石小屋橋に到着していた。途中素晴らしい景色を写真に撮ったりすると、あっという間に100メ-トルは引き離される。私よりもクレイジ-が3人もいるのだからH.O.Gの先行きが心配だ。
野呂川本流